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番号2010031事例作成日2011年01月25日
調査種別事実調査 所蔵機関調査質問者区分教員
質問愛知学院大学図書館情報センター(日進)寄託収蔵の絵図「袋包みを抱く天女(正眼寺蔵)」が見たい。
回答「袋包みを抱く天女(正眼寺蔵)」はない。正眼寺蔵の「涅槃図」は収蔵している。「涅槃図」の右上に小さな天女が描かれている。これが「袋包みを抱く天女」である。「投薬」の語源となった薬の袋包みである。
回答プロセス利用者が図書館に持ちこんだ本のゲラ刷りに「袋包みを抱く天女(正眼寺蔵)」の写真があり、「図13. 愛知学院大学図書館情報センター寄託収蔵」という説明があった。この絵図が見たい。との問い合わせ。
  1. 愛知学院大学図書館情報センター(日進キャンパス)に電話にて問い合わせると、「袋包みを抱く天女(正眼寺蔵)」というものはない、とのこと。正眼寺蔵の「涅槃図」なら収蔵しているという回答。
  2. 正眼寺の涅槃図は、縦375㎝×横295㎝の掛け軸状のものである。愛知学院大学図書館情報センターからメールにて送られてきた画像を利用者に見せたところ、この図には「袋包みを抱く天女」が描かれていない、という。
  3. 涅槃図一般について、よく調べてみると、涅槃図には一つのパターンがあり、図の右上に麻耶婦人(釈迦の母)と2人の天女が描かれている。
  4. 再度、正眼寺蔵「涅槃図」の画像を拡大して見ると、右上には天女が描かれており、赤い点が「袋包み」であった。これが「袋包みを抱く天女」だと判明した。
  5. この「涅槃図」は普段は非公開だが、涅槃会(2月15日)当日に公開される。
    (2011年は愛知学院大学日進記念講堂にて、午前9時~午後1時まで公開)
  6. 以上を利用者に伝えた。
涅槃会当日、涅槃図を確認したとのこと。
また、「投薬」という言葉の語源は、涅槃の際のお釈迦様に、摩耶夫人が錫杖に薬(袋包み)を括り付けて投げた、というところから来ているとのこと。
参考資料
備考持ち込まれたゲラが、「涅槃図物語」竹林史博著2011.2発行に載っていたものと分かり、後日その本を当館に購入した。

※2019年追記:
「涅槃図」は、毎年2月15日の涅槃会の際に、愛知学院大学(日進)にて一般公開されている。
平成31年3月29日には、小牧市指定有形文化財に指定された。
小牧市の文化財保護審議会の議事録に、成立時期などの詳細がある。