レファ協urlhttps://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000049406
番号2003002事例作成日2003年12月08日
調査種別文献紹介質問者区分教員
質問「ドコビッツ症候群」について知りたい。ドイツの研究者の人名が由来らしい。
回答「Dubowetz症候群」であることを伝え、「新先天奇形症候群アトラス」の該当ページのコピーを渡した。
回答プロセス
  1. カタカナで、「ドコビッツ症候群」を自館OPACで検索したが該当する資料はなかった。
    所蔵の症候群事典類などを調べたが分からなかった。「ドコビッツ」なので、「DOKOV」「DOKOW」等のローマ字表記を「医中誌」で見たが該当するものはなかった。
  2. Yahoo、Googleで検索しても、「ドコビッツ」「ドコビッツ症候群」でヒットする項目はなかった。
  3. 質問者が心理学科の出身なので、本学心理学科の教員に確認したが、心当たりはないとの回答だった。愛知医科大学医学情報センターに調べてもらったが、「ドコビッツ症候群」で該当する資料はなかった。
  4. 質問者に状況を知らせたら、臨床実習の学生からの質問であり、スペルを確認することは難しいことが解った。
  5. 知人の産婦人科医と助産婦に尋ねてみたら、筋ジストロフィーの関連分野の用語ではないかということだった。
    筋ジストロフィーの関連分野で、「ドコビッツ症候群」を調べたがやはり該当する資料はみつからなかった。
  6. 言語聴覚士からの質問であることから、口腔外科の教授に尋ねて「Dubowitz syndrome」という正確な綴りが判明した。
  7. 正確な綴りが分かったので、以前調べた「症候群事典」(診断と治療社)を調べなおすと該当項目が見つかった。また「新先天奇形症候群アトラス」でも見つかった。
備考「先天性奇形症候群および遺伝性疾患データブック」によると、日本語病名は「Dubowetz症候群」となっておりカタカナ表記は示されていない。医中誌のシソーラスでも同様である。また、この症例の最初の報告者であるDubowitzは、「ステッドマン医学大辞典」によると南アフリカ系イングランド人の小児科医であった。

愛知医大の担当者から、以下のコメントをいただいた。「デュボヴィッツ」は「ドコビッツ」と「響き」が似ていて同じ疾患ではないかと思った。当初、辞書でdubowitz(Dr. Victor Dubowitz)を調べたところ、「南アフリカ系のイングランド人、小児科医」と紹介されており、ドイツ人ではないという理由から却下した。

今回は「聞き違い」「言い違い」「勘違い」などが重なったようだが、疾患名だけでなく、症状についてもインタビューしておいた方が行き詰まった時に役立つと再認識した。